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  鍋横物語
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第1章
第2章
1 青梅街道界隈
2 道標のミステリー
3 堀之内街道沿い
4 十貫坂周辺
5 神田川
 (1)神田川はふるさと
 (2)畑は一面ピンク色
 (3)千代田町会の由来
 (4)夏は蛍が…
6 洋館
7 いろいろな商売
8 懐かしの映画館
9 神社
10 本の中にみる”鍋横”の記述
 
第3章
第4章


(1) 神田川はふるさと

語り部:清水吉右ヱ門(大正5年生)


 私は生まれてから現在の地に暮らしています。子どものころは学校から帰るとカバンを放りだして、木登りやベーゴマをしたり、神田川で泳いだりと、今のようにたくさん遊び道具があったわけではありませんが退屈はしませんでしたね。
 その当時の神田川は、春になると土手のまわりは一面のレンゲが咲き乱れ、本当に今では考えられないほど自然が残っていました。ビンドという魚捕りの道具をつかえばフナやナマズがたくさん捕れたし、本郷小学校の校章にもなっているように、夏にはホタルがいましたよ。それぐらい水がきれいな川でした。
 川のそばには染め物屋があって、染めた布を川の水を利用して洗ったりしてましたね。近くで採れた野菜の土を落としたりと生活に密着した川でした。
 私か町会長をしていた昭和57年に神田川が氾濫したときは、ちょうど祭りの時期でしたがそれどころではなくてね。リヤカーを引いて走り回ったりして大変な思いをしましたよ。
 コンクリートで固められて、すっかり姿は変わってしまいましたが、やっぱり私にとって神田川は「ふるさと」ですね。

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