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  鍋横物語
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第1章
第2章
1 青梅街道界隈
2 道標のミステリー
3 堀之内街道沿い
4 十貫坂周辺
 (1) 十貫坂の由来
 (2) 十貫坂の地名が本の中に登場
 (3) 何事にもおおらか
5 神田川
6 洋館
7 いろいろな商売
8 懐かしの映画館
9 神社
10 本の中にみる”鍋横”の記述
 
第3章
第4章


(2) 十貫坂の地名が本の中に登場


■ 丸谷才一著「低空飛行」の中に『ぼくの仕事部屋から首を出すと、ちょうど真下に中野十貫坂というゆるやかな坂が見える』とあり、氏は昭和42年頃から数年、十貫坂に面したマンションに住んでいたということです。また、「男のポケット」には十貫坂近くの豆腐屋の話が書かれています。


■ 吉川英治著「宮本武蔵」の中に『甲州口立場柏木村から野へ這入(はい)ったのである。十二所権現の丘から十貫坂とよぶ薮坂を下りてからは、ほとんど、歩いても歩いても、同じような野であった。夏草の波のなかに、消え消えになる細い道であった。』とあります。


※十二所権現
 新宿十二社にある熊野神社のことで、室町時代に中野長者と呼ばれた鈴木九郎が故郷の紀州熊野三山より十二所権現を移し祀ったものと伝えられています。境内には「堀之内妙法寺記」を書いた太田南畝(なんぽ)(蜀山人)の書が刻まれた水鉢があります。
 鈴木九郎は十貫坂の由来にも名前が出て来る、成願寺(本町2‐26)の開祖です。




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