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鍋横物語 (第4章)  
  鍋横物語
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第1章
第2章
第3章
第4章
1 鍋屋横丁界隈
2 賑わいのあった鍋横商店街
 (1) 昭和40年代の鍋横商店街
 (2) 福引の景品は三種の神器
 (3) 鍋横と本郷堂書店
 (4) 昭和40年代の鍋横商店街
 (5) 鍋屋横丁におけるある銀行の変遷 
3 銀杏が見ていた風景
4 地域の人の憩いの場
5 水車のある風景
6 川と田んぼ
7 地域センターの辺り
8 周年行事を迎えて
9 時代


(1) 昭和40年代の鍋横商店街

語り部:高野キヨ子(大正9年生)


 鍋横通りで下駄屋を営んでいた頃、周囲にはたくさんの商店があり、ほとんどの日用品は近所でこと足りた時代でした。通りをはさんで向かい合って魚屋があったりしました。
 下駄を商品として店に出す前にすることがあります。問屋から仕入れた土台桐の左右に合判を打ち、面とり(角を丸くするため木で擦る)します。表面と側面に砥の粉を塗り、乾かして砥の粉をワラのブラシで取り除きます。これを2回くらい繰り返し、次に艶出しのため(ろう)を塗ります。(蝋は値段の高い下駄には上質のものを、安いものは普通の蝋を使います。)その後、瀬戸物で出来た道具で、表面をよく擦ります。鼻緒を挿げ、裏の前鼻緒の所に前金を打って出来上がりです。磨いたりするのが結構力仕事だったんですよ。

火の見やぐらが懐かしい旧中野消防署

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