(1) 昭和40年代の鍋横商店街
語り部:高野キヨ子(大正9年生)
鍋横通りで下駄屋を営んでいた頃、周囲にはたくさんの商店があり、ほとんどの日用品は近所でこと足りた時代でした。通りをはさんで向かい合って魚屋があったりしました。
下駄を商品として店に出す前にすることがあります。問屋から仕入れた土台桐の左右に合判を打ち、面とり(角を丸くするため木で擦る)します。表面と側面に砥の粉を塗り、乾かして砥の粉をワラのブラシで取り除きます。これを2回くらい繰り返し、次に艶出しのため蝋を塗ります。(蝋は値段の高い下駄には上質のものを、安いものは普通の蝋を使います。)その後、瀬戸物で出来た道具で、表面をよく擦ります。鼻緒を挿げ、裏の前鼻緒の所に前金を打って出来上がりです。磨いたりするのが結構力仕事だったんですよ。
火の見やぐらが懐かしい旧中野消防署
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