(3) それぞれの思い出
語り部:会田幸子(昭和9年生)、会田喜久(昭和2年生)
(幸子) 鍋横の思い出といえば、学校帰りに阿波屋さんのガラス窓を守る鉄の棒で、でんぐり返し(前まわり)をするのが、楽しい日課たったことですね。
(喜久) 私は、店の人に見つからないよう店内を通り抜けるのが、ちょっとしたスリルある遊びだったことを覚えていますね。すべり坂(現富士高校からの斜面)で、水とござを持って滑ったり神田川でうなぎを電気ショックや穴釣りでとったこともありました。他にキャラメルの空箱を数枚持っていくと、中野館で映画がただになり、「20世紀の世界」というアメリカ映画を観たことを覚えています。キャラメルの箱は大宮公園まで拾いに行ったものです。
(幸子) いろいろな店に貼ってあるポスターの隅にある三角(ビラの下)を切り取って持っていっても無料で入れました。
地域センターから杉並の和田にかけては、お屋敷が多く、地域センターのある場所もドイツ語の権田先生の邸宅でした。その後、女優の星美智子さんに渡り、それからセンターになったかと思います。この辺は文士が多く、センターの向かいに住んでいた早稲田大学の小宮先生は夏目漱石の研究をされていましたよ。
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