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  鍋横物語
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第1章
第2章
第3章
1 道・街道・道路
2 商いを通して見た街
3 空き地は社交の場
 (1) 子どもたちの世界
 (2) 子どもの楽しみ
 (3) それぞれの想い出
 (4) 地域のリーダー
4 まちの情景・風物
5 まちが変わる ―関東大震災・第二次世界大戦によって―
6 歴史を移す≪お題目石の移設≫
7 歴史を掘る≪転車台の現れた日≫
8 懐かしくありませんか?
 
 第4章


(3) それぞれの思い出

語り部:会田幸子(昭和9年生)、会田喜久(昭和2年生)


  (幸子) 鍋横の思い出といえば、学校帰りに阿波屋さんのガラス窓を守る鉄の棒で、でんぐり返し(前まわり)をするのが、楽しい日課たったことですね。
 (喜久) 私は、店の人に見つからないよう店内を通り抜けるのが、ちょっとしたスリルある遊びだったことを覚えていますね。すべり坂(現富士高校からの斜面)で、水とござを持って滑ったり神田川でうなぎを電気ショックや穴釣りでとったこともありました。他にキャラメルの空箱を数枚持っていくと、中野館で映画がただになり、「20世紀の世界」というアメリカ映画を観たことを覚えています。キャラメルの箱は大宮公園まで拾いに行ったものです。
 (幸子) いろいろな店に貼ってあるポスターの隅にある三角(ビラの下)を切り取って持っていっても無料で入れました。
 地域センターから杉並の和田にかけては、お屋敷が多く、地域センターのある場所もドイツ語の権田先生の邸宅でした。その後、女優の星美智子さんに渡り、それからセンターになったかと思います。この辺は文士が多く、センターの向かいに住んでいた早稲田大学の小宮先生は夏目漱石の研究をされていましたよ。

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