(3) 買出し
語り部:池田セツ(明治40年生)
鍋横のこの場所には、関東大震災の年に移ってきましたが、私の家の周りは畑が多く特にナス畑が多かったですね。また、軍人さんが多く住んでいました。戦中、戦後の食糧難の時代には中央線で国分寺まで行きそれからまた乗り換えて小川村という所まで買い出しに行きました。私が鍋横から来たというとうらやましがられたり阿波屋さんに奉公に行く人のためにみんなでお祝いをした、ということを聞いたときは何か晴れがましい思いがしました。サツマイモやカボチャを魚の干物やかつおぶしなどと交換してリュック一杯に背負って帰ってきましたが、とてもおいしかったことを今でも思い出します。だんだん昔から住んでいる方が少なくなって寂しくなりましたが、家族と仲良く暮らしていけるのは何よりもありがたいことと思っています。
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