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  鍋横物語
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第1章
第2章
第3章
1 道・街道・道路
2 商いを通して見た街
3 空き地は社交の場
4 まちの情景・風物
 (1) 思い出がいっぱいつまったまち
 (2) 風情ある町並
 (3) 樹齢50年の桜 -氷川神社-
 (4) 親子二代で遊んだ崖
 (5) 中野通りのむかし
 (6) 本郷田んぼの「あげひばり」
5 まちが変わる ―関東大震災・第二次世界大戦によって―
6 歴史を移す≪お題目石の移設≫
7 歴史を掘る≪転車台の現れた日≫
8 懐かしくありませんか?
 
 第4章


(4) 親子二代で遊んだ崖

語り部:菅沼貴代子(大正14年生)



 戦災に遭うまで、父が宮里11番地(現本町4−17)で写真館をやっていました。本郷小学校の専属の写真屋として遠足などについて行っていまして、私の6年生の修学旅行にも一緒でした。父が写真を撮って帰ると、暗室で現像を手伝いました。真っ暗な中での作業なので3時間もすると疲れてしまい、大変たったことを覚えています。
 近くの氷川神社にはよく遊びに行きましたが、境内は松の根っこがこぶのようにデコボコしていたので、もっぱら前の崖をござにのって滑り落ちるのに夢中になっていました。ここでは53歳になる私の娘も小学校のころ同じように遊んでいましたよ。
 その先の神田川にやぐらのような大きな物干し場があり、ゆかた地のようなものが一杯ひらひらと風に舞っていました。子ども心にずっと何かなと思っていたのですが、川でさらした染め物を干していたのだと呉服屋に嫁いでわかりました。神田川もそれほどきれいだったんですね。




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