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  鍋横物語
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第1章
第2章
第3章
1 道・街道・道路
 (1) 拡幅前後の青梅街道
 (2) 鍋横交差点の角から
 (3) 清水窪
 (4) 近道は路地を抜けて
2 商いを通して見た街
3 空き地は社交の場
4 まちの情景・風物
5 まちが変わる ―関東大震災・第二次世界大戦によって―
6 歴史を移す≪お題目石の移設≫
7 歴史を掘る≪転車台の現れた日≫
8 懐かしくありませんか?
 
 第4章


(3) 清水窪

語り部:秋元 實(大正14年生)


 杉並区との区境に近いこの地で生まれ育ちましたので、和田のあたりは良く覚えているのですが、地域で子どものころの思い出に残る懐かしい場所というと清水窪と呼ばれていたあたりですね。ちょうど、本郷小に通う道筋で、まるでオバケが出そうなくらい薄暗くて。じゃり道だったしヘビがうろちょろいっぱいいてね。
 雑木林があったので昼寝をしたり崖を登ったり滑り降りたりして、子どもの遊び場としては最高に楽しい場所でした。たしか戦時中にかなり大きな防火用の貯水池がありました。(現在は40立方メートルの防火水槽があります)
 中学校時代は青梅街道を走っていた西武電車で通学していました。乗客が満員だと駅に止まらず通過していくことも度々ありました。のんびりしていた時代ですね。当時(昭和12年頃)100枚つづりの回数券が2円でした。
 定期券などない時代で、この回数券が重宝しました。


地図にある沼(大正の頃)



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