(11) 花に囲まれて幸せ
語り部:庄司みき(大正4年生)
昭和16年に房総(千葉県)から鍋横の花屋「みどり屋」(中央4-1)へ嫁いで、それ以来花に囲まれての生活です。
昔も今も店に並ぶ花を市場で仕入れて販売するのは同じですが、温室栽培がないため、四季折々の花が1年を通して彩ることは無く、種類も少なかったものです。でも、自然に育った花は、元気がよく長持ちして香りが良かったですよ。冬は伊豆方面からのフリージア、房総からの金盞花、ストック春は房総の菜の花。夏は麒麟草、グラジオラスですが、この時期は各家庭に花が咲いているので売れなかったのを覚えています。秋には信州からの菊が多かったですね。
昔は、花を活用する場も少なく、娘さんが生け花のお免状を嫁入り道具の一つとして持っていく時の習い事用とか、女子高校の教科であるとか、会社の女性社員が職場で習うときなどに使われる程度でしたね。お正月に苔松を床の間に生ける方が多かったですよ。仏壇の花は仏様の姿に飾る方もいました。
花屋さんをしていて良かった事は、毎日花の中で暮らしてきて、花の香に元気をもらい日々を健康でいられることですね。また、多く種類の花に出会えたことですね。
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