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  鍋横物語
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第1章
第2章
第3章
1 道・街道・道路
2 商いを通して見た街
 (1) 昭和初期の食料品店
 (2) 庭に残る石臼
 (3) 四つ目垣根に囲まれた植木場
 (4) 印刷ひとすじ
 (5) 美容室のお正月風景
 (6) 鍋横市場とせんべい屋さん
 (7) 芝居小屋
 (8) 質屋の利用も気楽に
 (9) 自動車修理も数少なく
 (10) ラジオは注文を受けてから
 (11) 花に囲まれて幸せ
3 空き地は社交の場
4 まちの情景・風物
5 まちが変わる ―関東大震災・第二次世界大戦によって―
6 歴史を移す≪お題目石の移設≫
7 歴史を掘る≪転車台の現れた日≫
8 懐かしくありませんか?
 
第4章


(4) 印刷ひとすじ

語り部:西田惣一郎(大正6年生)


 

 通称、字鍋屋横丁と言われていた西町1番地(現本町4-38)に生まれ、昭和5年に学校を卒業して本町通り3丁目(現本町3-31)にあった印刷所で働くようになりました。この頃鍋横交差点そのば日替わりメニューで評判の洋食屋(平成9年発行『見たい聞きたい記録したい』参照)のメニューの印刷をまかされていました。当時としては珍しい○○ド・サラダとかロブスター等西洋風の書き方で新しい感じがしたのを覚えています。コック長が大変厳しい人で、そばを通ると「あぶないからどけ!」とよく言われましたが、通ううちに可愛いがられるようになりました。
 鍋横交差点には手信号があり、怖そうな警官が操作していたのをよく見かけましたが、その警官と軍隊で出会ったときはびっくりしました。
 昭和29年に独立して印刷屋を始めました。印刷業に関って60年余年、昔は活字を拾っての印刷でしたが、今はコンピューター処理されるようになり、ずいぶん楽になりました。

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