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  鍋横物語
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第1章
第2章
第3章
1 道・街道・道路
2 商いを通して見た街
 (1) 昭和初期の食料品店
 (2) 庭に残る石臼
 (3) 四つ目垣根に囲まれた植木場
 (4) 印刷ひとすじ
 (5) 美容室のお正月風景
 (6) 鍋横市場とせんべい屋さん
 (7) 芝居小屋
 (8) 質屋の利用も気楽に
 (9) 自動車修理も数少なく
 (10) ラジオは注文を受けてから
 (11) 花に囲まれて幸せ
3 空き地は社交の場
4 まちの情景・風物
5 まちが変わる ―関東大震災・第二次世界大戦によって―
6 歴史を移す≪お題目石の移設≫
7 歴史を掘る≪転車台の現れた日≫
8 懐かしくありませんか?
 
 第4章


(7) 芝居小屋

語り部:長谷川まつ江(大正6年生)


 

 昭和25年に現住所に越してきました。周囲は原っぱで、家の前(本町4-19)に芝居小屋がありました。古いけれど立派な建物で、舞台も大きく2階にも客席がありました。主人の妹が日舞の師匠をしていたので芝居がない時は、小屋を借りておさらい会を開いたりしました。娘が8歳の時(昭和26年)そこで踊りました。楽屋も広く大きな鏡が、珍しかったですね。
 芝居は半月ごとの上演で、次から次へと旅役者の一座が興行していました。娯楽の少ない時代だったので、客席はいつも一杯でしたよ。夢中になっている人は毎日通って、おひねりを投げたりしていました。役者さんは、家族で芝居小屋に寝泊りして、近所の風呂屋にも通っていたようです。確か昭和35年ごろまであったでしょうか。
 その頃、「ひかりや」という食堂を始めました。夏はかき氷、冬はおでんと簡単なものですが、役者さんが食べに来たり、ごひいき筋が「役者さんに差し入れて」と、利用してくれました。特に思い出にあるのは夏に浴衣姿で縁台に腰掛け、かき氷を食べている役者さんの姿ですね。
 

 

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